|
DPD-101DC / DPD-101-3DC
デュアルパワーデバイス
―取扱説明書―
日本制禦機器株式会社
N11011E001-02C
*本製品をお買い上げいただき誠に有り難うございます。本製品を正しくお使い
いただくためにご使用の前にこの取扱説明書を必ずお読みください。
*本書の内容については十分注意して作成しておりますが、万一不審な点、お気
付きのこと等がありましたら、巻末の連絡先までご連絡ください。
*本取扱説明書の内容の一部又は全部を無断で複製することは禁止しています。
*本取扱説明書に記載されている会社名、商品名は日本またはその他の国におけ
る各社の商標または登録商標です。
*本取扱説明書の内容及び製品仕様は予告なく変更されることがあります。あら
かじめご了承ください。
注意
? 装置システムとしてのカテゴリおよびパフォーマンスレベル(以下 PL)の判
定(制御システムにおける安全関連部の設計)は、有識者が行ってください。
? 本装置は、過電圧区分Ⅲの装置です。装置設計において配慮が必要です。
? 寿命は開閉条件、負荷等により大きく異なります。使用にあたっては必ず実
使用条件にて実機確認を行い問題のない開閉回数内にて御使用下さい。
? IP54以上の制御盤内部に設置してください。また上下に5cm 以上通風を
確保して下さい。
? 塵埃、切削油、有機溶剤等の濃度が比較的高い環境において使用される場合
は別途検討が必要です。
? 制御回路部に過電流防止用の交換不要のポリスイッチを内蔵しています。ポ
リスイッチが動作した場合は一旦電源を切断し、異常を取り除いてから電源
を再投入してください。
警告
? ユニットの設置や配線を行う際は必ず電源を切った状態で行って下さい。
? 電源電圧は規定電圧でお使い下さい。リップルの大きな電源、異常な電圧を
発生するような電源は使用しないで下さい。
? 開閉容量を越える負荷に対して絶対に使用しないで下さい。
? 引火性ガス、爆発ガス雰囲気中では使用しないで下さい。開閉によるアーク
等で発火、爆発を引き起こす原因となります。
? 本装置は一般製造機械設備向に設計されています。原子力制御?鉄道?航空?
車両?燃焼装置?医療機器?娯楽機械などには使用しないで下さい。
? 取り扱いを誤った場合、人が死亡または重傷を負う可能性があります。
? DPD-101DC、DPD-101-3DC は DC30V 5A までしかご使用いただけません。
保証
? 本体に封印シールが貼られている事を確認して下さい。
? 封印シールが剥がされたものは保証対象外となります。
? 落下をさせたり、内部を分解したりした製品は 保証対象外となります。
1.
適 用 範 囲
本書は、セーフティリレーユニット DPD-101DC(以下 DPD-101 と呼称)、
DPD-101-3DC(以下 DPD-101-3 と呼称)に適用します。
2.
概 要
本ユニットは、ハード(リレー)構成の動力供給ユニットです。増設ケーブル 1
本で簡単に接点増設を行う事が出来ます。 DPD-101 と DPD-101-3 の違いは、2 系
統ある安全入力にあります。DPD-101-3 は非常停止スイッチが 2 系統とも電源側
を遮断するのに対して、DPD-101 の 1 系統は電源側、残り1系統は GND 側を遮断
するように構成されています。DPD-101-3 は、安全入力の 1 系統と 2 系統がショ
ートした場合、その故障を検出できません。DPD-101 は1系統と 2 系統が配線ミ
スなどでショートした場合、電源がショート状態となりただちに出力を遮断する
為、より信頼性を求める場合にDPD-101 をご使用ください。
安全カテゴリ 4 で使用する場合は、DPD-101 をご使用ください。
3.
外 観?各 部 名 称?機 能?外形寸法
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12 13
(114)
(6)
14
45
99
112
各部の名称と機能
1 CN1
4.入出力コネクタ部 を参照
2 CN2
3 CN3
4 CN4
5 CN5
6 BUS-Y 増設ユニット用コネクタ
増設ユニットを接続しない場合は必ず付属のエンドコネクタ
を接続して下さい。
7 POWER 電源ランプ LED:緑
8 DP K1:デュアルパワー1 系統ON LED:緑
9 DP K2:デュアルパワー2 系統 ON LED:緑
10 DIN レール取り付け金具
11 DIN レール 35mm 幅のものを使用して下さい
12 封印シール
本体には 1 ヶ所封印シールが貼り付けてあります。封印シール
を剥がされたユニットは保証対象外となりますので使用しな
いで下さい。
13 端子台カバー
14 エンドコネクタ ECN-L001 (9.付属品 を参照)
4.
入 出 力 コ ネ ク タ 部
コネクタ パネル表記 信号名
CN1
A1 電源+24VDC 入力
A2 電源 0V 入力
A3 渡り用電源+24VDC 出力
A4 渡り用電源 0V 出力
CN2
T11 非常停止スイッチ入力1 T12
Y1 オフチェック入力 Y2
CN3
T21 非常停止スイッチ入力2 T22
Y3 リセット入力
NC -未使用-
CN4
CN5
15-16 動力供給出力接点 B 接点モニタ
27-28
37-38 動力供給出力接点
47-48
(補足)
? 渡り用電源+24VDC 出力は 1.2A 、または外部電源の容量-0.8A のどちらか小さ
い電流までしか流せません。
? 主接点定格出力には規格上の制限があります。
5.
設 置?接 続
5.1 設置方法
本体の盤面への取り付けはDINレール(35mm 幅)を使用してください。本製品
を下向きに取り付ける事はできません。
また、DIN レールにはユニットの脱落防止のためにサイドストッパーを取り付け
てください。
5.2 接続方法
BUS-Y には付属のエンドコネクタを接続して下さい。但し、接点増設を行う場
合は、専用の増設ケーブルを接続して下さい。
増設ユニット数について
DPE、DTE を使用して増設を行う場合、DPD(マスタユニット)1 台に対して増設
ユニットは最大 6 台までです。
それ以上の増設は動作保証いたしかねます。
5.3 配線
?配線用電線サイズは下記のものをご使用ください。
ヨリ線(flexible wire): 0.2~1.5mm2 AWG24~16
単線 (steel wire): 0.2~1.5mm2 AWG24~16
ヨリ線による配線は棒端子(スリーブタイプ)で端末処理をし
てから接続してください。
また、適合させる規格に従った線材を使用してください。
配線が完了したら、コネクタカバーを閉じてください。
コネクタカバーが閉じない場合、コネクタが最後まで挿し込まれていない恐れが
あります。
(*)使用する電線が問題なく使用できるかどうか事前の確認をお勧めします。
?棒端子(スリーブタイプ)
圧着金属部長さが 8~10mm 長さのものをご使用ください。
(参考)ワイドミューラ製:
H0.5/14, H0.5/16, H0.75/14, H0.75/16, H1/14, H1/16,
H1.5/14, H1.5/16
フェニックスコンタクト製:
AI0.5-8, AI0.5-10, AI0.75-8, AI0.75-10, AI1-8, AI1-10, AI1.5-8, AI1.5-1
?T11 と T12(T21 と T22)への入力は無電圧接点で入力してください。
?複数個の DPD シリーズを使用する場合の注意
1 つのスイッチから複数のユニットに接続することはできません。
それぞれに接点が独立したスイッチをご使用ください。
(1 つのスイッチから 2 台の DPD シリーズの安全入力へ並列接続 しないでくださ
い。)
SW1
DPD-101(-3)DC
Safety relay module
Safety relay module
E11
E12
E21
E22
SW1
DPD-101(-3)DC
Safety relay module
DPD-101(-3)DC
Safety relay module
E11
E12
E21
E22
SW2
DPD-101(-3)DC
NG
E12
E11OK
E21
E22
E11
E12
E21
E22
注意)オフチェック入力の配線に関しても同様です。
?他配線よりのサージ伝搬に注意してください。
?電源端子
外部電源には EMC 指令および SELV、NEC Class2 を満足するスイッチング電源を使
用してください。電源を逆接続した場合は動作しません。バッテリーでの動作は
出来ません。
?EN60204-1 に基づき配線して下さい。
5.4 配線長
安全入力およびオフチェック入力の外部配線長さは、次に規定します。
規定以上の長さでのご使用は動作保証できません。
安全入力 全長で 50mまで(配線抵抗は 5Ω以下)
オフチェック入力 全長で 50mまで(配線抵抗は 5Ω以下)
それ以上の配線長の場合、下記条件が満足していれば動作します。
但し、使用環境(振動や温度やノイズ)への耐久性が低下する事を避けられない
ため、保証値ではありません。
使用電線は配線抵抗の低いものを使用して下さい。
DPD-101 の場合は非常停止スイッチが解除の時、安全入力端子 T12 と(A1-T22)の
電圧が、それぞれ 20V 以上であること。
DPD-101-3 の場合は非常停止スイッチが解除の時、安全入力端子 T12 と T22 の電
圧が、それぞれ 20V 以上であること。
5.5 保守時の交換
製品が故障した時は新しいものに取り替えてください。
5.6 プルーフテスト
プルーフテストとして、安全機能を最低一年に一回以上動作させて安全を確認し
て下さい。
6.
接続 する 制 御 機 器 につ いて
「非常停止用の押し釦スイッチ」
直接開路動作機能(強制開離機構)で EN/IEC60947-5-1、又は EN/IEC60947-5-5
適合品を使用して下さい。
「ドアインターロック用のドア SW」
直接開路動作機能(強制開離機構)で EN/IEC60947-5-1 適合品を使用して下さい。
「ライトカーテン接続」
本製品はライトカーテンの接続検証を行っておりません。
ライトカーテンを使用する場合は RLC-xxx を使用して下さい。
「制御する電磁開閉器について」
電磁開閉器は、強制ガイド式で信頼性のあるものを使用してください。強制ガイ
ド式でない電磁開閉器の NC 接点をオフチェックに接続しても、電磁開閉器の接点
の開離不能を発見できません。
「接点出力の保護について」
誘導負荷に対しては出力接点にサージアブソーバーを用いるなどして接点を保護
することをお勧めします。
出力接点定格以上の過電流が想定される場合は、出力接点をヒューズで保護して
ください。
「その他の制御機器を接続する場合」
要求する制御カテゴリを満足できるかどうか十分に検証してから使用して下さい。
7.
ヒ
ューズ
カテゴリ 4 を満たすためには、動作供給出力接点に最大定格 3.6A 以下のヒューズを
使う必要があります。 カテゴリ 3 を満たすためには、動作供給出力接点に最大定格
5A 以下のヒューズを使う必要があります。もし短絡電流が 5A 未満であるならば不
要です。
これは接続先の短絡故障時に接点電流の保証をし、接点溶着を防ぐ為です。詳しく
は本章 8.1 章と併せて規格書EN50159 を参照してください。
安全出力接点電流 (A) 対応可能なカテゴリ
≦5 3
≦3.6 4
8.
安 全 カ テ ゴ リ、停 止 カ テ ゴ リ と P
L
設備機械に安全規格ENISO13849-1:2015 を適用してご使用になる為には、設備機械
のリスクアセスメントを実施して、各安全セグメント毎の要求安全カテゴリと要求
PL(PL r)の両方を満足する必要があります。(要求安全カテゴリ≦達成安全カテゴ
リ)&(要求 PL r≦達成 PL)また、停止カテゴリも設備機械により要求があり、満
足するシステムを構築してください。
次節に安全カテゴリ、パフォーマンスレベル、停止カテゴリの説明と注意点を明示
します。
?マスタユニットと増設ユニットの考え方
【マスタユニットでの構成の場合】
【マスタユニット+増設ユニットでの構成の場合】
マスタユニット
OUT
OUT
OUT
OUT
IN
1つの安全セグメント
1つの安全セグメント
1つの安全セグメント
|